観光のお仕事

通訳ガイド

内容をまとめてCHECK

  • 通訳ガイドとは

    訪日外国人を観光地に案内して外国語で説明する仕事。

  • 通訳ガイドの主な仕事内容

    外国人観光客の日本への理解を深め、旅行をサポートする。

  • 通訳ガイドになるには

    「全国通訳案内士」の資格があると有利。

通訳ガイドとは

訪日外国人を観光地に案内して外国語で説明する仕事。

通訳ガイドとは日本を訪れる外国人を観光地に案内して、日本の伝統、文化、魅力などを外国語で説明する仕事です。通訳ガイドは通訳案内士とも呼ばれ、「全国通訳案内士」の資格取得者を指します。無資格でも通訳ガイドの仕事はできますが、通訳ガイドや通訳案内士に類似する名称を名乗ることができません。「通訳」との違いは、旅行や観光の場をメインにしている点、人が話した言葉を訳すだけではなく観光地の知識を自らの言葉で話す点です。「ツアーガイド」「ツアーコンダクター」の仕事内容に似ていますが、観光地を日本国内、対象客を外国人、言語を外国語に特化している点が異なると言えます。

通訳ガイドの主な仕事内容

外国人観光客の日本への理解を深め、旅行をサポートする。

通訳ガイドの仕事は、観光地の案内だけでなく、旅行中のサポートも含みます。観光や旅行は、個人旅行や団体ツアー、期間も半日から数日などさまざまです。通訳ガイド自身が訪問する観光先やルートを提案する場合もあります。

観光地の案内

外国人観光客に観光スポットの歴史的背景や特徴、見どころなどを外国語で説明します。ガイドブックに載っていない情報を交えたり、観光客の出身地にある有名スポットと比べてみたり、観光客の興味や関心の高い内容を深掘りしたり、観光客からの質問に答えたりと、形式にとらわれず観光客に合わせた案内を行います。

通訳業務

外国人観光客が、観光施設のスタッフ、ショップやレストランの店員に会話や質問をする時に通訳を行います。レストランでは、アレルギーや宗教上の理由で食べられないものを確認したり伝えたりします。体験ツアーやプログラムなどでは、参加方法や作り方などを通訳して伝えます。

添乗業務

ツアーやプラン内容によっては、予定通りに観光が進むようにスケジュールの管理や調整、交通機関の手配、ホテルのチェックイン、レストランの予約、買い物のアドバイス、トラブル対応などを行うこともあります。旅程管理主任者の資格が必要な場合もあります。

通訳ガイドになるには

観光地や外国への理解、語学力、おもてなしの精神を備える。

通訳ガイドになるには、通訳ガイドの派遣会社やインバウンドを取り扱う旅行会社に登録することが一般的です。観光地や外国人観光客の出身地にまつわる豊富な知識、情報を過不足なく伝えることができる語学力、ガイドとして日本での観光を楽しんでもらいたいというサービス精神や気配りが欠かせません。

必要なスキルや知識

観光地、観光客の国の知識

案内する場所に関する歴史、地理、文化、習慣など、幅広く深い知識が求められます。最新情報を把握しておく必要もあるため、案内する少し前に下調べや下見をしておくと安心です。ガイドを担当する外国人観光客の出身国の文化や習慣、価値観などを理解しておくことも重要です。観光客が自国と日本の違いに直面した時に、不安やストレスと捉えず一つの違いとして納得してもらうことが大切です。

語学力

日本独自の事柄を外国語で分かりやすく説明するには、高い語学力が必要です。英語だけでなく、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、スペイン語などの需要も高まっています。単純に語彙力だけでなく、魅力が分かりやすく伝わるように言い換えたり言い方を工夫したりする表現力がなくてはなりません。通訳として外国人観光客と日本人のやり取りを瞬時に言語に変換して伝える能力も重要です。

ホスピタリティ

通訳ガイドは日本での旅行や観光をより快適に楽しんでもらうために存在するため、おもてなしの精神は欠かせません。コミュニケーションをとって相手が何を求めているかを理解し、外国人観光客の求めるニーズに臨機応変に対応することが求められます。快適で満足度の高い観光になるように、細やかな気配りや心遣いができることが重要です。

通訳ガイドの資格・試験情報

無資格でも仕事はできるが、「全国通訳案内士」の資格を持つと有利。

2018年の通訳案内士法の改正以降、無資格でも通訳ガイドの仕事ができるようになりました。しかし、国家試験の「全国通訳案内士試験」に合格することでのみ、「通訳案内士」「全国通訳案内士」を名乗ることができ、無資格者は類似名称を使用することはできません。資格を取得することで信頼性と専門性を公的に証明できるので、仕事を得る際にも有利です。各自治体が定める研修を受講して、特定の地域での通訳案内業務を行う「地域通訳案内士」の資格もあります。添乗業務を行うには、旅程管理主任者の資格も必要になります。

通訳ガイドのやりがい

日本を楽しんでもらえるかどうかは、通訳ガイド次第。

担当した観光客から、「あなたのおかげで楽しい旅行ができた」と言ってもらえると喜びになります。近年は通訳アプリや翻訳アプリを使用する観光客も多い中で、通訳ガイドに期待されるのは、観光客が知りたいことのニュアンスを汲み取り、より質問の内容に即した回答ができることや、日本人とのコミュニケーションそのものと考えられます。通訳ガイドの知識や機転次第で、観光客の旅を面白くすることができ、観光客の持つ日本に対するイメージを上げることができます。広くは日本と外国の架け橋となって、異文化理解や国際交流に貢献できる有意義な仕事です。

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