観光コーディネーターとは
観光資源を発掘して地域ブランドを確立し、地域を活性化させる仕事。
観光コーディネーターとは、地域の観光資源を発掘・開発して地域ブランドを確立し、プロモーションやシステムの構築を行い多くの観光客を誘致して、地域の活性化を図る仕事です。人口減少する日本において観光業に注力することは、国内消費を高めるための重要な取り組みの一つです。観光が発展することによって、地域の過疎化を防いだり、新たな雇用を生み出したりすることにも繋がります。自治体や企業、地域住民を巻き込んだ取り組みが求められる中で、中心に立って主導して施策を考え実行に移すのが観光コーディネーターの役割となります。日本観光士会が認定する資格の名称にもなっています。
観光コーディネーターの主な仕事内容
地域活性化に関わる一連の業務を遂行する。
観光コーディネーターの仕事は、地域ブランド作り、インフラやネットワーク作り、プロモーション、企画の実施と、地域を活性化させるための一連の業務を企画し統括することです。「コトづくり・モノづくり・場おこし」を計画的に企画して実行しながら、観光地の経済発展に寄与します。
観光地として活性化させるには、他の地域との差別化となる地域独自の「エリア・アイデンティティ」を確立する必要があります。観光地となる場所の歴史や文化、地理、特性などについて調査やデータ収集、観光客の動向やニーズの分析をし、自然景観や歴史的建造物、特産品や特産物などを発掘・開発します。
地域ブランドを広めたり観光客を受け入れたりするには、自治体、事業者、企業、お店、住民などの協力が欠かせません。関係各所と連携を取ってネットワークを構築します。運営に必要なインフラやシステムを作り、観光施策を進める基盤を整えます。
観光プランや商品、イベントなどの企画開発を行い、必要に応じてSNSやウェブサイト、パンフレットなどを通じてプロモーションをし、プレスリリースを発表して広報活動も行います。企画を実施し、実施中の運営や管理、トラブルなどにも対応します。
観光コーディネーターになるには
幅広い分野の知識と事業を推進する高いスキルが必要。
観光コーディネーターになるには、大学や短期大学、専門学校などで、観光や地方創生、マーケティングやプロモーション、ブランディングなどに関する知識や教養を身につけることが必要です。企画力やプロジェクトマネジメント力、コミュニケーション力などのスキルも重要となります。就職の際は「観光コーディネーター」という職種で採用があることは少ないため、企業や団体の事業内容を確認するようにしましょう。
必要なスキルや知識
観光業界の基本的な構造や、観光学、経済学、社会学、地理学、観光ビジネス、関連法規などの観光についての知識を身につけておくことが必要です。観光DXやMaaS、インバウンドなど観光に関する最新情報や消費者の動向を常に把握しておくことも求められます。
観光プランやイベントを計画して実行する上では、スケジュール、人的リソース、品質、コストなどを管理して段取りよく遂行する能力が大切です。プロジェクトチームを主導し、目標達成に向けてチーム全体をまとめるリーダーシップやコンサルティング能力も必要です。
プロジェクトの実行には企業や自治体、地域住民、観光客との良好な関係が欠かせません。協力しあい意見を交換しながら、企画や商品、サービスに反映させ、地域ブランドを育てていきます。観光客のニーズに細やかに応えるホスピタリティ精神も重要です。
観光コーディネーターの資格・試験情報
必須資格はないが、学び続けて実務経験を積むことが大事。
観光コーディネーターになるための必須資格はありません。観光コーディネーターは観光やビジネスについての知識を活かして、実務経験を積むことが大切です。また、最新の観光トレンドやマーケティング手法を学び続けることが求められます。
観光コーディネーターのやりがい
観光の観点から地域や社会の発展に大きく貢献できる。
観光コーディネーターは、地域ブランドを確立させることで地域経済の発展や雇用の創出など、社会に大きく貢献できるやりがいのある仕事です。プロデューサーとして調査や企画をゼロから主導したプロジェクトやイベントに多くの人が集まって賑わったり、商品やサービスが話題になってヒットすると手応えや達成感を味わえるでしょう。多くの人と関わり、地域の人々や観光客の笑顔や喜びを生み出すことができる、非常に有意義な仕事です。