キャプテンとは
結婚式、披露宴の進行を取り仕切る現場の責任者。
キャプテンとは、ブライダル業界においては結婚式、特に披露宴の進行を取り仕切る責任者のことです。「ウェディングキャプテン」「ブライダルキャプテン」「サービスキャプテン」など、呼び方はさまざまです。新郎新婦とウェディングプランナーが準備してきたプログラムを滞りなく実現するため、新郎新婦に寄り添いながら、会場全体の状況を把握し、披露宴のタイムスケジュールの管理や各スタッフへの指示を行います。キャプテンの指揮なしに披露宴は成り立たないと言っても過言ではない、重要なポジションです。
キャプテンの主な仕事内容
新郎新婦、ゲスト、スタッフと関わり、披露宴を成功に導く。
キャプテンの仕事内容は、新郎新婦、ゲスト、スタッフなどすべての人と密に関わり、披露宴が成功するように動かしていくことです。キャプテンの指示の内容やタイミングが、披露宴に大きな影響を与えます。
主にウェディングプランナーと打ち合わせを行い、プランや演出内容を理解した上で進行の段取りを考えます。結婚式当日は早めに会場に入り、受付の装飾や会場のセッティングを確認します。さらに、司会者、音響スタッフ、照明スタッフ、バンケットスタッフ、カメラマンなど各セクションのスタッフと流れや注意点などを細かく打ち合わせします。新郎新婦や親族、ゲストへの挨拶も事前に行い、万全の体制を整えます。
披露宴が始まると、新郎新婦の入退場の先導や、着席や起立の合図、マイク、ウェディングケーキ、ナイフ、花束、手紙の受け渡しなど、細やかなサポートを行います。新郎新婦が次の行動に迷わないように丁寧に誘導したり、裏で声をかけて緊張を和らげたりと、二人がどの瞬間も安心して楽しめるようにリードします。
プログラムや演出が予定通りに進むように、時間管理とスタッフへの指示を通じて現場をコントロールします。しかし、新郎新婦やゲストからの急なリクエストや、余興の盛り上がり状況、思いがけないトラブルなどで、進行にズレが生じることも珍しくありません。状況を冷静に判断して、司会者や会場スタッフと連携を取りながら、全体の雰囲気を崩さずにタイムスケジュールを調整して対応していきます。
キャプテンになるには
高度なマネジメントスキルとホスピタリティが重要。
キャプテンになるには、結婚式場やゲストハウスなどの施設を運営している会社や、結婚式をプロデュースする会社に就職することが一般的です。未経験からでも目指せますが、多くの人と関わって統率する力や時間管理をしながら複数のタスクを並行して進める能力など、高度なマネジメントスキルが求められます。ブライダルの専門学校では、現場で実践できる知識や技術を学ぶことができるため、キャプテンを目指す上で有益な選択肢となります。
必要なスキルや知識
新郎新婦、親族、ゲストに信頼と安心感を与えられるよう親しみやすい態度で接し、相手の思いをしっかりと聞いて意思疎通を図る能力が不可欠です。また、司会者、音響スタッフ、フローリスト、キッチンスタッフなど、多くのスタッフに的確な指示を出して連携し、チーム全体をまとめるリーダーシップも大切です。
披露宴では、音響機器の不具合やゲストのアクシデントなど、予期せぬ事態が発生することもあります。突発的なことが起きた時にも、冷静に素早く最善の解決策を見つけて対応できる力が求められます。また、一つのプログラムが想定以上に盛り上がれば、雰囲気を察して予定より多めに時間を確保して後の時間を調整するなど、柔軟にタイムマネジメントを行う必要もあります。
新郎新婦はもちろん、会場全体やゲスト一人ひとりの表情や様子も常に観察し、細やかな気配りを行います。例えば、入場前に緊張している新郎新婦がリラックスできるように声をかけたり、余興がより一層盛り上がるようにゲストに予め協力を依頼したりと、参加している全員が素晴らしい時間を過ごせるように配慮します。
キャプテンの資格・試験情報
特別な資格はないが、関連資格が業務の質を向上させる。
キャプテンになるために必須となる特定の資格はありません。ブライダルやサービスに関連する資格を習得しておくと、業務の質を高めるのに役立つでしょう。
キャプテンのやりがい
披露宴に参加したすべての人に、心に残る特別なひとときを提供できる。
新郎新婦の人生で特別な一日を、自らの進行管理によって成功に導くことがキャプテンの最大のやりがいです。「ここで結婚式をして良かった」「あなたがキャプテンで良かった」といった感謝や喜びの言葉を、新郎新婦やゲストから直接もらえると大きな達成感を味わえます。また、さまざまな職種のスタッフが協力して一つの式を完成させるため、チームで喜びを共有できることも魅力です。キャプテンは、披露宴に参加したすべての人に、心に残る特別なひとときを提供することができる仕事です。
